便器と美女。

2/3
前へ
/4ページ
次へ
 「いやいやいや、地獄とかってわけじゃないんだけどね。 まぁ似たようなものかもしれないけど。君の今の状況を簡単に説明するとすごーーーく運が悪い事に俺が探してた条件にちかかったから君をここに呼んだってことかな? ちなみに君を探してくれたのは彼女ね。」  そういうと、僕の背後を指差した。  振り向くと、そこには全裸で便器に座る女性がいた。女性の頭には節くれだった2本の角が生えており背中には蝙蝠の羽が生えていた。まさしく the 悪魔って感じなのだが、なぜ全裸で便器?    と、言うかここトイレ?ボクはトイレの床に寝てたってことなの?さっきから匂っていた柑橘類の香りってトイレの芳香剤のにおいなの?  「彼女は、ベルフェゴール。 まぁ、君にあんまり関係ないしもう会う機会もないから別によろしくしなくってもいいよ。」  ベルフェゴール、確か怠惰を司る悪魔で便座に座っている老人とか木箱を引きずった発明好きの女神とかっていわれてたかな?  「それで、話は戻るけど僕らのゲームの駒になったんだよ君。 君ら人間もRPGとかやったりTV見たりするでしょ? そういう僕らの娯楽の為に来てもらったってわけ。やったね。超ラッキーだね。」  正直、ゲームの駒になったとか娯楽のためにあの世に連れてこられたと言われて、わーい超ラッキーと喜ぶ人が居たら見てみたい。まぁ、悪魔だし理不尽な事いうんだろうなとは思ってたけどね。  「ほら、君らの世界にも異世界に行っちゃうとかそういうアニメやマンガあるでしょ? そんな夢のような状況だよ。ラッキーと思っていいんじゃないかな?それにRPGでいうならLV80からスタートみたいな状態だからラッキーだよ?」  さっきからベルゼブブと名乗る悪魔はニコニコ笑いながらアメリカ人のようなオーバーなリアクションをしながらいかにボクがラッキーなのか語ってくるけど、さっき一番最初にすごーーーーく運が悪い事にって自分で言ってたよね?
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加