便器と美女。

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「あ、拒否権ないしどうせもう死んじゃっているし。異世界楽しんでよ。 クリア条件はないけど死んだらゲームオーバー。俺たち悪魔は君たち駒が苦悩したり絶望したり愉快に踊る姿見て楽しむだけだから。でも、それだけじゃつまらないから自分が駒として呼んだ人間に力を与えてあげるのさ。 だから簡単に死んだり他の駒に殺されちゃわないでね。」  「なんかもうすでに楽しめないですよ。そんな風に言われると。」  気分を悪くして不利な状況になるのも嫌なので、一応丁寧かつフレンドリーに答えてみたが。力を与えるってどういうことなんだろうか?  よくある話みたいに無限大の魔力とかかな?  やっぱり異世界っていうのは、髪の毛がピンクとか青とかいるのだろうか?  「ちなみに俺が君にあげる能力は、ボクの象徴ともいえる「大食」の能力だよ。君には膨大な魔力どころか魔力を微塵も与えない。そのかわり、魔力などを喰らう力をあげるよ。おそらく今異世界に居る地球人の中でもトップクラスの能力だよ。喰らった魔力を自分の中にいくらでもプールすることができるけど他の人たちみたいに自然回復とかできないから気をつけてね。」  つまり初期値が最弱って聞こえるというか、こういう異世界に行くとかって話は大抵スタート地点は森でいきなり襲われたりするよね?  いきなりゲームオーバーというバッドエンドの気がするんですけど。  「魔力喰わないと、平均的な一般人相手でも即死だからサービスとして、今のところ世界で一番治安も良くって安全な国に送ってあげるよ。」  まるで、ボクの心を読んでるが如く、説明してくれてるけど絶対心読んでるよね?  「説明は以上だけど質問ある?あっても答えないけどね。んじゃまぁ俺たちを楽しませてよ。さよーならー♪」  彼が笑いながら手を振ると、ボクの足元に黒い穴が広がり落ちた。  ああ、一方的に説明されたけど重要な事聞いてないよね・・・。  能力ってどう使うのかとか、モンスターとかがいるのかとか・・・。  言葉とか文字の問題とか・・・。  たぶん僕らが苦しむのを楽しむんだろうからフォローしてないと思うんだけど、この予想は外れて欲しいな。
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