第5話 『目覚め』

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「私は、その倍幸せだと思うよ」 照れたように笑う可愛に、 「じゃあ、俺はその三倍」 と言うと、 「樹利ったら」 とクスクス笑った。 「さぁて、朝食いただくかな」 ベッドを降りてキッチンに向かうと、ダイニングテーブルには和食が並んでいた。 「わざわざ早起きして作ってくれたんだ、ありがとう」 と、可愛のこめかみにキスした。 「だって、いつも樹利に夕食作ってもらってるから、朝くらいはと思って」 「夕食作りは譲れないなぁ」 笑いながらそう言ってテーブルにつき、「いただきます」と手を合わせた。
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