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この子じゃなかったんだ。
ホッとした。
この子がオヤジの愛人じゃなくて、良かった。
と瞬間的にそう思った。
次の瞬間、可愛は睨むように、こちらを見据えた。
「でも、姉はちっとも悪くないんです!
祐一さんは独身だって姉に嘘ついていたんだから!
そしてすごく傷ついたんです!
姉を悪く言わないでください!」
強い口調で、強い眼差しで、そう声を上げた。
堅く拳を握って、目をそらさずにこちらを見ていた。
自分の大切な人、愛する者を護る為にこんな強さを出す可愛を前に、
ただ、圧倒されていた。
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