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それでも可愛から離れ、NYに行くことに決めた時は、自分の中の心が二つに分裂しそうなほどに葛藤した。
可愛を最初から連れて行きたいという気持ちはあった。
しかし、まだ学生の彼女を自分の勝手で人生を左右させたくない気持ちが先行していた。
空港で可愛に泣かれた後、
飛行機に乗り込んで離陸を待っているまでの時間、桐華の言葉が脳裏をよぎった。
『私の最大の過ちは、あなたがリンの為に帰国した時に着いて行かなかったことね。それは、ずっと後悔すると思う』
自分も最大の過ちを犯そうとしているのかもしれない。
このことが、キッカケで駄目になってしまう日が来るかもしれない。
そう、人生なんて、ちょっとしたすれ違いやボタンのかけ違いで変わってしまうんだ。
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