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「おお~すげ~」
「誰もいねーじゃん!」
「これは当たりをひいたなぁ」
正直、自分も期待していなかっただけにこの光景には驚きを隠せなかった。
両側300メートル先は岩場に囲まれているものの、目の前の砂浜はゴミもなく、とても綺麗で海は澄んでいる。
理想的なプライベートビーチといった感じだった。
「じゃあじゃあ?」
「さっそくぅ?」
「泳ぐか!」
先輩たちはすぐさま着替え始めた。人がいないから回りの目も気にすることなく外で着替えている。
自分は何となく気恥ずかしかったので車内で着替えを済ませた。
着替えも済ませ、いざははなる海へダイブ!
といきたいところだったが、先輩が
「後輩。あそこらへんの陸地、タープたてられそうだからよろしく」
「BBQの準備もな!」
「後輩の腕の見せどころだなぁ」
こいつら、こんなと時ばかり先輩ずらしやがる。
仕方がない。さっさと終わらせて自分も遊ぼう。
しかし、1人でタープをたてるのはなかなか難しい。普通はポールを支える人とロープを張る人とで2人は欲しいところ。
とりあえずぺグを先に打ってからポールをたてようとするがうまくバランスがとれない。
「……ふぅ」
先輩を呼ぼうかとも思ったがすでにはるか彼方。
このままでは日が暮れてしまう。
「参った……」
自分は途方に暮れながら、楽しそうにはしゃいでいる先輩たちを怨めしそうに眺めていた。
「こっちは準備OKだよ♪早くロープ張って!」
「!!」
誰もいるはずのない後方からの声に驚き、飛びづさるように振り向いた。
その先には、見覚えのない女性がポールをたてて、早く早くと叫んでいる。
突然の状況に混乱しながらも、ロープを張っていく。
なんとかたてることができた。彼女のおかげで。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
「えと……ここには遊びに?」
「ん?違う違う。私は店員さん」
「店員さん?」
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