運命

12/18
前へ
/18ページ
次へ
「……驚いた。よく分かったな」 一ノ瀬さんは目を見開いていた。 それにしても、整った顔立ちをしている。 「春!」 突然莉久に肩を掴まれた。 「この人とどういう関係!?」 その顔はとても焦っているように見える。 教室は何故か静かで、皆の視線は一ノ瀬さんに注がれていた。 昨日のあの三人組と同じような反応だ。 まるで、一ノ瀬さんを恐れているみたい。 でも、そんな反応をする意味が僕には分からない。 とても良い人だということを皆は知らないのか。 もしくは、金髪だからかもと思ったが、この学校で金髪にしている人は何人か居る。 例えば、隣のクラスの人……名前は忘れたが、彼は確か金髪だった。 しかし、彼は皆からとても好かれている。 「ちょっと来て!」 莉久に無理矢理廊下まで連れていかれる。 その様子を一ノ瀬さんは少し悲しそうな目で見ていた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加