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「……驚いた。よく分かったな」
一ノ瀬さんは目を見開いていた。
それにしても、整った顔立ちをしている。
「春!」
突然莉久に肩を掴まれた。
「この人とどういう関係!?」
その顔はとても焦っているように見える。
教室は何故か静かで、皆の視線は一ノ瀬さんに注がれていた。
昨日のあの三人組と同じような反応だ。
まるで、一ノ瀬さんを恐れているみたい。
でも、そんな反応をする意味が僕には分からない。
とても良い人だということを皆は知らないのか。
もしくは、金髪だからかもと思ったが、この学校で金髪にしている人は何人か居る。
例えば、隣のクラスの人……名前は忘れたが、彼は確か金髪だった。
しかし、彼は皆からとても好かれている。
「ちょっと来て!」
莉久に無理矢理廊下まで連れていかれる。
その様子を一ノ瀬さんは少し悲しそうな目で見ていた。
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