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「……雷との喧嘩の時はどっちが売ったの?」
「え?それは雷だと思うけど」
「じゃあ、一ノ瀬さんは悪くないよね。それは売ってきた方が悪いんだから」
「春!でも……!」
「ククッ……」
話が聞こえていたのか、一ノ瀬さんは僕らに近づいてきた。
「そんな風に言ってもらったのは初めてだ。ありがとう」
うん、やっぱり良い人だ。
悪い人なら、こんな直ぐありがとうなんて言わない。
「ちょっと話がしたいから一緒に来て、アリス」
「あ、アリスって呼ぶのは禁止です!」
一ノ瀬さんは微笑みながら、人差し指を唇に当てる。
「俺だけ特別。……駄目?」
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