運命

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パタンと小説を閉じる。 初めて買った恋愛小説。 少しだけ読んでから帰ろうかと思ったが、20ページも読んでしまった。 本当は大好きな作家の本を買おうとしたのだが、何故かこの本が目についたのだ。 いつの間にか、窓から見える景色はオレンジ色に染まっていた。 僕は小説と、机の中に入れっぱなしだった教科書を鞄に入れた。 椅子を動かすと、その音が誰も居ない教室内に響く。 いつも騒がしい教室とは大違いだ。 でも、ほんの少しだけ騒がしい教室が恋しい気もする。 「さてと、帰るか」 忘れ物がないことを確認すると、僕は教室を出た。
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