運命

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一人、誰も居ない道を歩く。 とても静かだ。 思わずさっきまで読んでいた小説を思い出す。 というのは、小説の主人公は誰もいない通学路を歩いて帰っていたところ、不良に絡まれ、ヒーローに助けてもらったのだ。 まあ、僕は男だから助ける側だが、そんな誰かを助けられるような力も勇気も持っていないと思う。 幼い頃から貧弱で、よく風邪を引いていたし。 道が二手に分かれたところで、腕時計で時間を確認する。 この先を真っ直ぐ進み通学路を通って駅に向かうか、それとも近道を通るか。
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