第1話 覇竜

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森に覆われた小さな村がある。 街とは大きく離れた場所であまり世間では知られていない。 その村で老人が野菜畑で作業を進め汗を流す、木材で道具や子供の遊び道具を作る。 それが日課だった。 だがある日、その日課にはない出来事が起きた。 「じいちゃん!大変だよ!」 「どうしたんじゃロメオ?」 ロメオと呼ばれる少年が息をきらしながら走って来る。 祖父の前に着くと呼吸を整え来た方向へ指を差す。 「人が…人が倒れてるんだ!」 「人じゃと?そんな馬鹿な」 「とにかく来てよ!」 祖父はそう言われロメオについて行く。 信じられなかったが村の人々が集まっており事実だと知った。 その現場に向かうとそこに倒れていたのは本当に男だった。 ツンツンした赤色混じりの黒髪、炎を思わせる衣のような服でよく目立つ。 「どうします村長、放っておく訳には行きませんし」 「と、とにかくワシの家に運ぼう」 一応 男を運ぶ事にした。
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