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数分後、男は目を覚ました。
生きていた事に安心し料理を用意した。
しかしそれはこの村にとって最悪な出来事だった。
山盛りの皿とお椀、それは全て食べ終わった物、まだ止まらない。
「もう1週間分は食べてる…」
「村長、そろそろあの男に話を」
「そ、そうじゃな。では皆はここに」
村長は少し恐怖心を抱きながら男に近づく。
「あ、あの~」
「ここのメシは美味ェんだな!これならもっと腹に溜まるぜ!!」
話しかけた所で意味はなく食事は止まらない。
この手の相手は初めてで村長は村人に助けを求める。
しかし村人はガッツポーズ、全て任されてしまった。
「あ、あの~」
「なぁ肉はねェの?肉食いてんだけど」
「こ、この村は野菜が中心で肉は…」
「そっか。肉があれば最高なんだけどなぁ」
大盛りの野菜が盛られた皿を掴み一口で飲み込む。
このまま食べられたら1ヶ月分は持ってかれてしまう。
村長は勇気を振り絞る。
「あ、あの~貴方のお名前は…」
「ごちそうさん!いや~美味かった、ありがとなじっちゃん!!」
礼を言われると男は立ち上がり背筋を伸ばす。
「そんじゃ食わせてもらった礼に一働きするか。じっちゃん、手伝ってやるよ!」
名前は分からないままだが1つ分かった。
自由すぎる…
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