一章 前日

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アブラゼミ、つくつくぼーし、ミンミンゼミ、暑い熱い夏。その暑さ故に普通ならばなかなか寝ることもできず、寝てもすぐに寝苦しくて目を醒ましてしまうようなそんなときに、俺--宮根優樹--はクーラーをつけることもなく、扇風機をつけているでもなく…爆睡していた。 「…っもう、、、、いつまで寝てるんだか」 扉の前にひとりの女の子--大倉綾乃--がいた。コイツは俺の幼なじみで… 「いい加減起きろ~!!あんた今日遊ぼうって自分から約束しといて…なに呑気に寝てるのよ!!」綾乃の隣家まで聞こえるような叫び声…優樹はそれでまださえ起きない ……ぶち…… そんな効果音がどこからともなく聞こえてきた気がした。刹那、優樹の顔に情け容赦ない拳が炸裂した。 「…っぐは」 その情け容赦ない一撃に…体が飛び跳ねる。 「そこまでする必要あったのか?」 「あんたねぇ…10時から遊ぼうっていうから待ってたのに…今12時よ?!怒りたくもなるって💢」 …無駄な抵抗はしない方が無難だな…傷が増える。そう思った俺は素直に… 「ゴメン、完全に寝過ごした。」 …謝った。
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