一章 前日

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その後、俺は謝罪の意味を込めて昼食をおごることにした――否、もはやこれは強制だったか…… 「これだけ待たしたんだから、何かしてくれるんだよね?」 これですべてが決した。十時に待ち合わせなんだからもちろん昼飯は食べてない。自分の手作りでもいいんだがそれは…人に食べさせられるような代物でもない。そんな理由で俺は昼飯をおごることになった。 行き着いたのは近くにあるレストラン。 「優樹はもう食べないの?」 綾乃の前には明らかに一人前じゃない量の食べ物が並べられている 「綾乃、俺は別に見慣れてるから何ともないけど、間違えても誰かとデートしたり遊びに行くときそんな量頼むなよ?絶対に白い目で見られるからな。」 綾乃にとっては俺の食べる量が少ないのだろうけど、あくまで俺は普通だ。むしろそれだけ食べて痩せている綾乃がおかしい―――だろうと俺は思っている―――のだ。 「どーゆー意味よ、それ。ま、誰かとデートに行くことなんてないんだからいいじゃん。」 思わずため息が漏れる。……コイツは今してる行為をなんだと思ってるんだ?
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