二章 出発

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結局、家に帰る頃には九時を回っていた。その間に綾乃からの返信はなかった。 「なんだこれ…」 携帯を見てうなだれながら部屋に戻り郵便受けを見てみると、一通の手紙が入っていた。それを見た俺は… 家に戻って…一時間、やっと綾乃からメールが来た。 ――――――――――― From:大倉綾乃 Sub:Re:明日 ――――――――――― 今日は…いきなりごめん。いったことは気にしないで。 明日は朝六時くらいに家を出るから。ま、朝の弱いあんたには無理だろうけど。 ――――――――――― …こいつ…最後には嫌みをつけて。けど…明日ぐらいはマジで起きないとやばいよな。 明日だけは起きてやる! それだけ返し、明日へ備え、寝た…。 +++ 翌日 「四時か…もう起きなきゃ間に合わないよな」 俺にしたら珍しくちゃんと起きることができた。やっぱりやろうとしたらできるもんだな。と再認識し、今日行く準備を始める。 「でも、やっぱりあいつは今日が最後だ…なんて思ってるんだろうな。」 これから見送りに行くあいつに、なんて言ってやろう。昨日家に帰るときから考えていたけど、家に帰ると少し事情が変わったから…なんて言おうか…考え直しだ… 日頃バタバタと準備してるだけあって、これだけ時間があるとふつうに間に合った 「まだ五時…」 とはいってもこの時期だけに夜は明けていて、十分に明るかった。 ――――――――――― from:大倉綾乃 Sub:起きてる? ――――――――――― まだ時間早いけど…なんか準備が早く終わっちゃって…もう行ける状態なんだけど…優樹今日来てくれるんでしょ?まだ準備できてないなら…待ってるけど、寝てるか準備できてるかだったら行くから ――――――――――― 携帯が鳴動する。
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