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「何その、コイツめんどくせーーー・・・・って目。
お前、これ欲しくないの?」
そう言って海は鷲掴みにしている四角い箱をぶらぶらと目の前にだしてきた。
条件反射だろうか。
目の前にブラブラと出されたモンだから、思わず受け取ろうと両手を広げた。
ポスっと少し上から落とされたのは、薄いグレーのベルベット素材に包まれた四角い箱。
女の子なら、一目見て分かるその中身・・・・・。
「ヒエッ!!」
「何その声ーーー!!台無しーー。」
一目見て慄くほどの高貴な佇まいの箱に、ケタケタと軽く笑う海に突っ込む余裕もない。
「開けてみ?」
優しく誘う海の声を聞いて、やっとの事で蓋に手をかける。
中に恭しく鎮座されているのは、控えめなダイヤが一粒だけ添えられた銀色のリングだった。
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