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声がした方を見ると、
「広兄!」
従兄弟の広樹兄さんが立っていた。俺は小さい頃から広兄と呼んでいる。学年は三年生で今は生徒会副会長をしている。ちなみに会長は礼二のお兄さんだ。
「よっこらしょっ。この弁当うまそうだな。」
広兄はベンチに座ると重箱の中を見た。
「陸のお母さんが作ったんだって。」
「そうか。だがそれをなんで直樹一人で食べているんだ?いつも一緒いる二人はどうした。」
広兄は礼二と陸と仲がいいことを知っている。昔四人で遊んだこともある。
「さっきまで礼二と陸と食べてたんだけど二人とも北庭に行った。」
「何しに?」
広兄はベンチの背もたれに腕を置いた。
「さあ?何か用事あったんじゃない。」
二人ともイケメンだしなんでも出来るから何か用事頼まれたんじゃないかな。
「ふ~ん。それより何かくれよ。少しくらい貰ったっていいだろう。」
広兄は腕を俺の肩に回し言った。陸のお母さんの料理は見た目もいいから食べたくなるよね。
「そうだね。あ、これ美味しかったよ。はい、あ~ん。」
広兄にお菜を持った箸を向けると一瞬驚いたがすぐに口を開け一口で食べた。
「あーうまいな。」
「でしょ。」
広兄は笑って言った。美味しいものを食べると笑顔になるって言うよね。
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