12/25
前へ
/115ページ
次へ
「あなたのこと好きなんだ。付き合って欲しい。」 全くなんで先輩ばっかりに告白されるんだか。 「ごめんなさい。先輩にはもっと別の人が合いますよ。」 「……好きな人いるの?」 「はい。ライバルもいますけど。」 礼二という強敵だ。直樹は天然で俺達の気持ちに全く気付かないけど。 「そっか。じゃあ頑張ってね。」 「はい。」 先輩は走っていなくなった。よし、俺も直樹のところに帰るか。 「振ったんだな。」 木の後ろから礼二が出てきた。 「いつからいたんだよ。」 「あなたのことが好きなんだってところから。」 それって始めからじゃないか。 「お前はなんて言ったんだよ。」 俺が呼ばれる前にクラスメイトに呼ばれたよな。クラスの中でもなの子はかわいいに入るな。 「好きな人いるから無理って言った。」 「そんなはっきり言ったのか。」 礼二は相変わらずはっきりしてるな。 「嘘つくよりマシだろう。」 「それもそうだな。よし、戻ろうぜ。直樹が待ってる。」 「ああ。」 俺達は急ぎ足で直樹がいるベンチに向かった。 .
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加