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担任の名前は宇佐美巽。でも午年なんだって。教科は数学。 「類と直樹は昼休み数学準備室に来い。教材運ぶの手伝え。」 「「はーい。」」 俺と類は数学の係りだ。何か授業で使うものがあると取りに行かないといけない。 「最後に転校生から来たから。旬入れ。」 ドアを乱雑に開けて教室に入ってきた。 「新居旬だ。よろしく。」 睨むように教室を見渡した。 「旬は直樹の前の席な。直樹、類。旬を頼んだぞ。」 「「はーい。」」 新居君は椅子に座り机に足を上げた。座りにくそうだな。 新居君は赤い髪の毛で両耳にピアスをたくさん付けている。 「派手な髪の毛だね。自分で染めたの?」 「ピアスいっぱい付けてるね。耳痛くないの?」 「……。」 俺と類は気になったことを言っただけなのに睨まれてしまった。俺と類は目を合わせた。 「旬、直樹も類も全く悪気ないから。悪く思うなよ。みんなも仲良くしてやれよ。」 宇佐美先生はそう言うと教室から出て行った。 .
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