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先生が教室から出た後俺は類と目で会話をしていた。
『どうして睨まれたのかな。』
類が眉を下げて言った。うん、類はかわいい。でも悲しい顔はしてほしくないな。
『聞かれたくなかったんだよ。』
『そうかな…』
類は相手の表情をちゃんと見るから顔が怖い人をみるとといつもこうなる。
「おいっ。」
「「はいっ!」」
いきなり話しかけられたので驚いてしまった。
「教科書見せろ。」
隣の人に見せて貰えばいいのに。新居君の隣の席の子を見るとこっちを見て手を合わせていた。
「あ、僕の貸すよ。」
類は机から教科書を出して新居君に渡したが受け取ってくれない。
「…お前使うだろう。」
「大丈夫だよ。直樹から見せて貰うから。」
いいよねって類に言われたのでうんと答えた。類は新居君に教科書を渡した。
「……。」
新居君は受け取ったけど何も言わず教科書を持ったまま動かない。
「どうしたの?」
類は顔を傾けて新居君を見た。
「…サンキュー。」
新居君は小さい声で言った。
「どういたしまして。」
類はにこりと笑った。やっぱりかわいいな。新居君はすぐに席に着いた。
~~♪
チャイムが鳴ったので椅子に座り、俺は類と机をくっつけた。
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