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ピンポーン!!
そんな時、私の家のベルが鳴る。
“アイツだ…。”
私は、冷静を装って、オフホワイトのドアを開けた。
「あ…」
そして、そこには…
やっぱり。
白い箱を持ったシュンちゃんが立っている。
「シュンちゃん…、来たの…」
私はわざと素っ気ないフリをする。
そんな私にかまわず勝手に、奴は、
「おじゃましまーす!」
と言って、入ってきた。
コイツ…!
「何なのよ、ちょっと!!」
「良いじゃん!!あれ、今、一人だったの?」
「そーだけど」
「じゃあ、一人で淋しかったでしょ?」
「はぁ?」
おどけたシュンちゃんに、私は思いっきり顔をしかめてやった。
「もしかして、詩音ちゃん。まだ怒ってんの!?」
「や…もう別に怒ってないけど…?」
バカにされてるし…。
そんな私の反応みて、楽しんでるし…!!
あームカツク。
「はい。コレやるから怒るなよ?」
そう言ってシュンちゃんは私に白い箱を渡した。
うすいピンクのレースがかけてある、その箱を私は開けた。
ワクワクしてるのを、気付かれないように…して。
「…わぁ」
「今日のは、サクランボ味。サクランボクリーム入れてみた」
「…ありがとう。おいしそう」
そう。
『アレ』というのは、シュークリームのことだ。
シュンちゃんは、私とケンカした後、いつでもコレを届けに来てくれる。
毎回味が違うんだけど、おいしい。
すっごく、おいしい。
シュンちゃんは、私がシュークリーム好きなの知ってるから、いつも、せっせと作って持ってきてくれる。
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