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「うっ……。うわぁあああ……。うわぁあああぁああ~!」
涙が止まらない。
もう全部、吐き出すように流れ落ちた。
私は何を迷っていたのだろう?
何よりも自分は不幸だと嘆きながら、どこかで幸せを求め続けていた。
愛し愛されることを諦めなら、誰かを愛するのを怖がっていた。
孤独を感じ、自らを蕀の中へと身を投じて悶えていた。
………私は、もう嫌だと思いながらも、本当の幸せを手に入れることを諦められなかったんだ。
先輩に話せてよかった。
私、やっと気付いたんだ。
幸せになるために、愛するために、生きててもいいんだって。
やっぱり怖いし、また同じ目に遭うんじゃないかって思う。
それでも私は、また誰かを愛するんだ。
ゆっくりでいい。
焦ったり、怖がらなくていい。
本当のラブ(愛)を、見つけるんだ。
その日私と先輩は。
散々飲み屋をはしごして、本音を言い合いながら笑って過ごした。
バカみたいに楽しくて笑えて。
家に帰る頃には体がふんわりと軽くなった。
心も、周りに張り付いていた氷が溶けたようだった。
温かい気持ちに包まれて、私はゆっくりと眠りについた。
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