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「ユイさん!持ちますよ!」
私が重そうに資料ファイルを運んでいると、吉井がお腹のプヨプヨお肉を揺らしながら走ってきた。
………まったく、彼は健康状態に問題はないのだろうか?
そう思えるくらいに腹の肉の圧迫感は凄まじい。
腹周りは肉がついてるものの……、あまり巨漢というイメージが湧かないのは、まだ彼が若いからか。
それとも異常に肌が綺麗なせいか。
いや、しかし…。
近くで見ると結構可愛らしい顔付き…。
「あの、ユイさん…?
そ、そんなじっと見つめられると…照れるっす…!」
しまった…!!
思わず吉井の顔を凝視してしまった。
自分の意外な行動に気恥ずかしさを感じ、思わず…。
「あっ、ご、ごめん…。」
と、謝ってしまったのだった。
「い、いえ…あの。資料持ちますよ…!
重いでしょ?」
確かに…前々から思ってたのだが、資料室のファイルは無駄に重くて運ぶのが辛い。
いっそのこと全てデータ化してしまえば、この労働作業はなくてもいいハズだ。
私はチラリと吉井の腕を見た。
シャツを肘までまくり上げた腕は、白い割には男らしくがっちりしていた。
やっぱり男なんだなぁ…。
「じゃあ、お願いね。」
ドサッと資料ファイルを吉井に受け渡した。
案外重いのか、渡した瞬間によろけたようだ。
「わっ!………とと!」
「落とさないでよ。」
「は、はいっ!」
手が空いた私は、悠々と吉井の前を歩いていた。
が。
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