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そう言うとナナコ先輩は分厚い資料ファイルをおもむろにデスクの上に乱暴に投げた。
私は探していた資料ファイルを持ったまま資料室の些か埃っぽいデスクに腰掛けた。
それほど仕事が切り詰めてない、ほどよく暇な火曜日。
仕事をサボリがてら、ナナコ先輩とダベるのはよくあることだ。
今日も資料集め…と言いつつ、皆は緩い暇な時間をサボるために費やしている。
いつもこうなわけじゃない。
忙しい時はそれはキリキリマイになるものだ。
忙しい時期と暇な時期の落差がかなり激しい。
私たちの仕事はそういうものだ。
「私もさぁ、婚期逃さなかったら今頃は……はぁ~。」
「先輩、なんで結婚しなかったんです?」
率直な質問を投げかけてみた。
その辺り、かなり気になっていたからだ。
「仕事大好きだったのよぉ!結婚なんてどーでもいいから仕事に情熱燃やしてたのよ!
まぁ、それが間違いだったんだけどさぁ~。
当時付き合ってた彼に“結婚しよう”って言われてたのにねぇ。仕事優先したいからって待っててって言ったのよ。
そしたら!“俺がいなくてもお前一人でやってけるじゃん”って!そのままフラれちゃったのよ~!!」
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