9人が本棚に入れています
本棚に追加
「だ~ッ!もうっ!
なんなら私が男紹介してあげるわいくらでもッ!
さぁ、言ってみなさい!どんなのがタイプ!?」
自分だって彼氏がいないのに何言ってんだこの人は。
私は溜め息一つこぼすと、デスクから立ち上がり尻についた埃を払った。
「結構です。」
それだけ言い残すと、資料室からさっさと退散する。
ちょっと待ちなさいよ!という先輩のキンキンとした大声を遮るように、資料室の扉をガチャンと閉めた。
「……馬鹿らしい。」
私は小さくそう呟くと、資料室を後にする。
馬鹿みたいだ。
馬鹿の一つ覚えみたいに結婚、結婚、結婚。
結婚が女の幸せの価値を示すものなら……。
私はおそらく一生不幸者だ。
最初のコメントを投稿しよう!