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「私をサボるための口実にするわけ?」
「だ~か~ら~違いますってぇ!
資料運びを手伝おうと……。」
嘘つけ!と思わず叫びたくなった。
この吉井という男は仕事を積極的にこなすタイプではない。
日頃の仕事もらりくらりかわして、終業時刻になればさっさと帰りたがる仕事に全くやる気が見られない今時の若者タイプだ。
そんな吉井が手伝いを申し出るのは、それはそれなりの下心があると。
手に取るように察知できた。
「だからいいから。それより自分の仕事に専念すれば?」
さらに断り、小走りにその場を去る。
………まったく冗談じゃない。
誰があんな男など。
年下ってだけでも嫌なのに。
日頃だらしない生活をしているのか、ポッチャリとした体型。
いい加減な仕事ぶり。
どれ一つとっても好きになれない。
唯一許せるのは、肌が異常に綺麗なことくらいか。
なんの冗談か、吉井のプニプニの肌はそこらのエステ通いの女子より綺麗だった。
前の飲み会で酔っ払った吉井が寝っ転がった時に、プニプニの腹がはだけていたのを見た。
さらに酔っ払ったことをいいことに、吉井はその太い腕でギュウギュウと私を抱き締めたのだ。
それで一発でヤツが嫌いになった。
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