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僕の大切な人達が次々に死んでいく……僕の目の前で。
「これで生き残ったのは坊やだけだね~」
僕以外もういない?ミナももういないの?
………あの時、お姉ちゃん達を誘わなければ良かった。
………予め誕生日プレゼントを買って、ミナに渡しておけば良かった。
「じゃあ~バイバーイ」
その言葉を聞いた瞬間、僕の周りの時間が止まったように感じた。
その感覚と共にこの男に対する、自分に対する憎悪が膨れあがっていくのをかんじた。
アハハ……アハハハ……
なんで……なんでこんな……
今日はお姉ちゃん達とミナと母さんと父さんと村のみんなで楽しく、みんなで笑いあうはずだったのに。
どうして?どうしてなの?
アハハ、全部この男のせいだ。
こいつがいなければ誰も死なずにすんだんだ。
なんで僕がみんなが死ななくちゃならないの?
死ぬならコイツがシネバいいよね?
なんで殺したの?なんでみんなをコロシタノ?
アハッ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
シヌナラ……オマエガシネバイインダ……
そして時間は動き出す。
「なっ!?」
全身で浴びたユイの血が盾のようになり僕を守る。
アリガトウ……ユイチャン……
「ネェ?キミ………シネヨ」
辺りに広がる死体の山から沢山の血が上空に集まる。
勿論父さんや母さん、お姉ちゃんのも混ざっている。
「な、なんなんだ!?」
男は口調が普通に戻っていた。
よほど焦っているのだろう。
「クラエ……『ブラッドウルフ』」
上空にたまった血が狼の形になり、複数の血の狼が現れた。
その狼達は一斉に男に向かって走り出した。
「や、ヤバい!!『神速』」
一瞬にして男はその場から消えた。
そして僕の目の前に現れて
「危なかったぜ」
と呟き、僕の首を切り裂いた
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