世界魔闘大会ペア戦

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ひとまずカインのことは置いておき、こっちをどうにかしないといけない。 効果があるのか分からないけど結界を張ってみて……あ、うねうねさんが近づかなくなった! ……と思ったら。 「うきゃぁあああ!!?」 私の影から飛び出てきたうねうねさんに、右腕が捕まりました。 あのうねうねは影さえあれば、どっからでも出てくんの!? お兄ちゃん、いったいどんな能力を持ってんですか!!? 「いやぁああ!!気持ち悪いぃいいい!!」 力任せに引きちぎりながら、足も捕まえようと動いていたうねうねを思いっきり踏みつける。 本気過ぎて地面も砕けたけど、今はそんなことどうでもいい。 あっちこっちの影からでてくるうねうね。 何かエサないかな、アレの動きを止めるための。 そんな私の眼に飛び込んできたのは、顔をさすりながらようやく起き上がったルシファーの姿。 「あー……いてて……んあ?げっ、長男の触手!?」 「……」 顔を押さえるのに必死過ぎたのか、会場中に蔓延るうねうねにようやく気付いた様子。 唖然と顔を引きつらせている。 そんなルシファーの姿を見て、思わず口端が上がる私。 エサ……みーつけた。 私がそう思ったのと同時に、なぜか顔色を青ざめてこっちを見るルシファー。 「ひっ……何か嫌な予感がした!!嬢ちゃん、何する気!?」 「敵同士、心置きなく殺れます!」 「ちょ、それ会話になってない!会話のキャッチボール大事!」 「今は私の身の安全が優先!ということで、逝け!!」 のけぞって私から逃げようとしたルシファーの胸倉を掴んで、同時に腰のベルトをがっしり掴む。 そして捕まえたルシファーを、後ろから追いかけてくるうねうねに向かって思いっきり投げる! 「ぎゃぁああああ!!?兄妹揃って人を投げるんじゃねぇえええ!!」 そう叫びながら黒いうねうねに埋もれていくルシファー。 逃がさないと言わんばかりに、他のうねうねもルシファーがいた所に集まっている。 ……味方でも容赦ない。 お兄ちゃん、マジでお怒り全開モードだ。 まあ、ひとまずお兄ちゃん見つけて謝っておこうかな。 これ以上怒られるの嫌だし、お兄ちゃんのコレ怖いし。 ……何でお怒り全開なのかは、いまいち分かんないけど。
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