リーンちゃん、髪を切る

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「むぅ……」 さっきから頬を膨らせたままむっすりと黙り込んでいるリーン。 顔は赤くして両手は握ってプルプル震えているし、全身で『怒ってます』って表現をしていますな。 ついでに涙目というコンボに、ママはノックアウトされちゃいますよー? 「リーンー?むんむんしている所悪いけど、お風呂入るから髪の毛解くよー」 「……あい」 むっすー。 そんな様子のままテトテト歩いてくるリーンちゃん。 怒ってるところも可愛い子です。 明日はツインテールじゃなくてサイドテールにしようかな? 「……リーン、女の子に間違えられたことが嫌なら、髪を切ったらいいんじゃないのか?男の子にちゃんと見られる(と思う)ぞ」 明日の髪型について熟考していると、呑気に髪の毛をほどいたリーンを抱っこしたカインさんが言いやがりました。 「きりゅの!」 もちろん、女の子にしか見られなくてプンプン怒っていたリーンちゃんは、すぐさまその案に乗っかりましたよ。 ……カインさんや。 なんてことを言い出すんですか。 私の毎朝の楽しみがー! この子の髪、とってもサラサラでさわり心地がいい上に、綺麗な長い銀髪を弄るのってとっても楽しいんですよ!? 「……そんなに髪を弄りたいなら、自分の髪でやればいいんじゃないか?お前だって十分綺麗な髪をしているだろ」 「マーマ、しゃらしゃらー」 「わーうう!」 おいこら。 君たち揃って人の髪を撫でまわすんじゃありません。 私はリーンみたいに天然じゃないから、サラサラ髪を維持するために毎日お手入れ頑張っているんです。 カインはまだ梳いている感じだから許せるけど、リーンとしぃちゃんよ。 くしゃくしゃにするのは止めて下さい。
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