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その言葉はまるで誰かに問いかけるような口調で、しかしアスカに相手などは存在しない。
自分自身に問い、そして答えを導いているのだ。
男の歩調に合わせ、地上に出る。
そして、適当な広さの場所に出るとアスカは、男に声を掛けた。
「………人斬り烏、見参」
「………アスカ? 何をしてるんだ?」
そういう男の言葉などは無視してスラリと刀を抜く。
血に飢えた我が鋭牙よ、今餌を食らわしてやろう。
「ほ、本気か、アスカ? 本当に噂の人斬りって、お前なのか?」
「………」
コイツ、腹立つな。
アスカは目にも留まらぬ速さで男の傍を駆け抜ける。
「………散れ」
その言葉の次の瞬間には、男は首から大量の血を噴き出して倒れた。
───────続
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