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空は雲一つない快晴。山と森に挟まれた広い平地で、数人の男達が鍬を振りかぶり耕している。開拓が始まって間もないのか、耕している範囲はまだ狭い。
そこへ、光が弧を描きながら飛んで来た。光の線は一人の男のそばに落ちる。
地面に落ちた大きな光がしだいに治まり、その中から男と可愛らしい女の子が現れた。
「マリア!」
地面を耕していた男、ノースが手に持っていた鍬を置き、駆け寄ってきたマリアを抱き上げる。
「こんな所まで来てどうしたんだマリア」
ノースはマリアの目を見る。感情が顔に出ず、喋る事も出来ないマリアとは、マリアの目の動きで意思の疎通を図っていた。
ノースの質問に、マリアは顔を後ろに向ける。ノースは意地でもそちらを見たくなかったが、マリアが示すのでしかたがなく顔を上げてそちらを見た。
「無視はとは酷いな。なあ、マリア」
そこには、両手にバスケットを持った魔王が立っていた。
「何であんたがマリアと一緒にいる」
ノースは魔王を睨む。
「おいおい。せっかく連れて来てやったのにその態度はないだろう」
魔王はわざとらしく肩を竦めた。
「それに、マリアは俺のものだ。いつ一緒にいようが俺の自由」
「それはお前が勝手に決めた事だ!」
ノースは魔王を睨み付けたまま怒鳴る。
「マリアが条件だと知っていたら生きたいなどと望まなかった!」
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