家族の肖像

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朔也の家で夕食をごちそうになって、少し朔也の部屋で寛いだあと 家まで朔也がバイクで送ってくれた。 「今日は本当にありがとう。 すごい楽しかった! 試合は残念だったけど…」 「うん、まぁ来年もあるしな。 それより美月、ひとりぼっちで寂しくない?」 朔也のお父さんとお母さんも、家に帰ってもひとりぼっちなんだったら泊まって行けばいいのにって何度も言ってくれたけど… さすがに無断外泊をした事はなかったから、今日の所は丁寧に断った。 「慣れてるから大丈夫! 今度ママがお休みの時、朔也も紹介したいから… うちのママにも会ってくれる?」 「もちろんだよ! 美月のお母さんにちゃんと言わないとな! 娘さんを俺に下さい!って」 「…も…もう…??」 気の早い事を言い出す朔也に驚きながらも笑った。 「じゃあ美月… 今日はありがとう。 また連絡するから…」 ニコリと微笑んでメットを被り出した朔也のシャツを思わずきゅっと掴んだ。 「美月…?」 「…朔也… …やっぱり… ひとりじゃ寂しい…」 強がりを言ったけど、本当はまだ一人になるのが怖かった。 向井くんとの事、朔也のパパの事、 あんなに温かい朔也の家庭の事… 色々な事が一日にあり過ぎて、私の心がグラグラと揺れてたから。 じっと私を見つめてた朔也が、フフッと微笑んで私の髪を優しく撫でた。 「美月の家に行ってもいいの? だけど、密室で美月と二人だけになったら俺、豹変するかもよ?」 朔也の言う意味はちゃんと解ってる。 「…ご…ご褒美…だよね?」 ドキドキしながら聞いた私に、優しく微笑みながら朔也が頷く。 「…朔也… まだ…帰らないで…?」 顔を真っ赤にしながら言った私を見つめながら朔也も少し顔を赤くしてる。 ポケットから携帯を取り出した朔也は、家に電話を入れた。 「ああ、俺。 ちょっと美月の家に寄ってくから。 ……解ってるよ! …うん、じゃ父さんにも今日はありがとうって言っておいて」 電話を切った朔也がニコリと微笑む。 「母さんが、美月を泣かせたら1週間晩飯抜きだって」 頭をポリポリと掻きながら朔也が笑って言った。
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