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「美月…
覚悟はいいね?
俺もそろそろ限界…」
やんわりと微笑みながら言った朔也に私はコクンと頷く。
ベットの脇に用意してくれてた小さな袋を片手で持つと、朔也が口にくわえて袋を開ける姿がなんだか色っぽくて私の胸がドキッと鼓動した。
「朔也…なんかカッコイイ…」
「バカ…照れるから見るな」
少し顔を赤らめて袋から取り出したものを背中を向けて用意してから再び私に覆いかぶさって来る。
「行くよ…?」
「うん…」
朔也の手が私の手に触れて優しく指を絡めてくれる。
「美月、愛してる」
耳元で朔也が囁いた瞬間、私の中が何かに切り裂かれるような痛みを感じる。
「痛っ…」
あまりの痛みに思わず言葉に出してしまった私をじっと見つめる朔也。
「大丈夫…?
我慢出来る?」
髪を撫でながら聞いてくれる朔也に私は涙目になりながらも頷いた。
「我慢出来なくなったら言って?」
「が…頑張るっ!」
クスっと笑った朔也が再びゆっくりと私の中にそれを沈めて行く。
引き裂かれる痛みはかなり辛いけど…
そこには今まで知らなかった、とてつもなく幸せな気持ちが溢れてる。
自然と溢れ出した私の涙を、朔也の唇が優しくすくってくれた。
「頑張ったね、美月。
俺たち、ひとつになれたよ」
微笑みながら私を見下ろした朔也が何度も唇にキスをくれる。
「朔也…愛してる…」
初めて私の口から出た言葉に、朔也がニコッと笑った…。
…私は心も体も…
全てを朔也に埋め尽くされて本当の幸せを知った…。
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