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「ほほーう…
君が岡田朔也か。
いつもウチの美月から君の事は聞いておる。
よくぞ参られた」
玄関に仁王立ちしたうちのママ…。
そう…ウチのママはいつもこんな感じ。
娘の私から見ても40歳には見えないくらい若々しくて、母娘で買い物とか行くと、時々姉妹に間違われるのがウチのママの自慢。
だけど喋り方は私が子供の頃からずっとこのまま。
本人が言うには、織田信長の生まれ変わりなんだとか…。
まぁ私はこの方が面白いからいいんだけど…。
ママの先制攻撃にまるで借りて来た猫状態の朔也。
「初めまして…美月さんとお付き合いをさせて頂いてます」
一応形式通り?挨拶をした朔也に、ママはニカっと笑って
「そんな事は知っておるわ!
おぬし、美月のどこに惚れた?」
「はっ…あの…ぜ…全部っす!」
「生ぬるい!
さては、この幼児体型の体が目当てか!」
「いえっ!そ…そ…そんなめっそうもない!」
…すっかりママにペースを狂わされてる朔也が可哀想になって助け舟を出した。
「…ママっ!朔也をいじらないでよっ」
「くっ!美月のくせに偉そうに…」
「ママっ!」
「…仕方ない。
ウチの姫がここまでかばうならおぬしを認めてやろうではないか。
まぁゆっくりと寛いで行きたまえ」
「めんぼくねぇっす!」
…朔也まで合せなくていいから…。
そう思いながら我が家に朔也を招き入れる。
「今日は岡田朔也の為に儂が手料理なんぞをこしらえてやったわい」
「あざっす!」
「うむ。良い返事じゃの。
気に入った。近う寄れ」
何だかんだ言ってもしっかりママは朔也の大好物の唐揚げを用意してくれてたりして。
すっかり打ち溶けたママと朔也に笑みがこぼれた。
「よし、岡田朔也!
儂が夜勤の夜は美月の番犬の仕事を許可してやるわ!」
「番犬っすか?!」
「うむ。
しかしだ、まだおぬしらは高校生だしな…
夜這いをかける時は、くれぐれも避妊を怠るな」
「ママっ!」
お腹を抱えて笑う朔也に、それを見てニカっと笑うママ…。
こうして私と朔也は親公認の仲になって行った。
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