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朔也の選手権が終わった10日後、私はセンター試験を無事終えた。
自己採点ではまぁまぁ良く出来た方だと思うけど…
朔也はと言うと、選手権での活躍が認められて、3チームもスカウトが来てるらしい。
「どこのチームにするか決めてるの?」
って聞いたら、朔也はニカっと笑って
「美月が合格したら教えてあげる」
なんて意地悪言ってるし…。
卒業まであと少し…
私と朔也は出来る限り一緒にいれる時間を大切に過ごした。
私の志望大は東京だったから、卒業したら都内で一人暮らしをする予定だし…
朔也もチームを決めたらすぐに引っ越しするって言っている。
こうして二人で手を繋いで歩けるのも、
お互いの温もりを感じながら抱きあえるのも…
あとほんの僅かしかない…
そう考えるとやっぱり寂しいと思うけど…
お互いのやるべき事と向き合うために、二人で決めた10年後の約束の日まで頑張るんだ…。
そして合格発表前日の3月5日。
私達は卒業式を迎えた…。
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