夢に向かって

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すっかりお母さんのご馳走でお腹いっぱいになった私達が、朔也の卒業アルバムを見ながら寛いでいたら 朔也のお母さんがニコリと微笑みながら言った。 「一輝くん…お話しておきたい事があるの」 その言葉に私と朔也は悟ってアルバムから顔を上げる。 「今まで… ずっと寂しい思いをさせてしまってごめんなさいね」 お母さんの言葉に向井くんは 「えっ?」 と不思議そうな顔をした。 「おばさんね、本当は随分前から一輝くんが孝彦の子供だって知ってたのよ」 お母さんの放った言葉で向井くんの表情が一気にこわばって行く。 「気付いたのは一輝くんが幼稚園の年長の頃なの。 だけどね…おばさんもそれを言ってしまったらこの家庭が壊れてしまうんじゃないかと思って… ずっと怖くて言えなかったの…。 でも赤ちゃんの時から一輝くんを見て来たからね… おばさんは一輝くんも朔也と同じように愛しくてたまらなかったのよ。 だって…私の愛した人の子供なんですもの。 やっぱり可愛くなっちゃうのよ」 笑って言うお母さんに向井くんは瞳を潤ませてる。
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