初めての嫉妬

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その夜、私は朔也の大好きな唐揚げを作って部屋でひとり朔也の到着を待ちわびていた。 調べてみたら最終の新幹線が東京に着くのは23:45だった。 滞在先のホテルに荷物を置いてから来るって夕方のメールに書いてあったから、ここへ来れるのは1:00頃かな…。 そう考えてみたら、やっぱり朔也とゆっくり会える時間を作るのは大変な事なんだなと実感した。 深夜のお笑い番組を見ながらウトウトし始めた時、携帯が鳴り出して私は慌てて飛び起きた。 『美月、着いたからセキュリティ外して』 「うんっ!すぐ行く!」 朔也からの着信に私は、走ってエントランスへと降りて行った。 「朔也っ!」 エントランスで飛びついた私に笑いながらもギュッと抱きしめてくれた朔也が 「ただいま、美月」 そう言って私の唇に短いキスを何度もくれる。 「会いたかった…」 うるうると見上げた私に朔也はコツンとおでこをくっつけて 「俺もだよ。 でもとりあえず部屋に行ってから続きしよ?」 ってあの人懐っこい笑顔で微笑んだ。 ずっと恋しかった朔也の温もりを少しでも離したくなくて、私は手を繋いで朔也と部屋へ戻る。
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