初めての嫉妬

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玄関のドアを閉めた途端、朔也が再び私をぎゅっと抱きしめて深い口づけをくれた。 全てを奪われるかのように激しく私を求める朔也は初めてで、その唇は私に呼吸すら与えてくれなくて… 「ふっ…うっ…」 酸素を求めようと漏らした声までも再び塞がれる。 「朔っ…也…」 やっとこぼれた私の声に、ようやく朔也が離れてじっと見下ろした。 「美月が… 誰かに奪われるなんて俺、絶対無理…」 少し悲しそうな瞳をゆらゆらと揺らして言った朔也に私は慌てて否定した。 「私は朔也以外の人になんか興味ないからっ! 大野先輩の言った事なんて気にしないで?」 私をじっと見つめてフフッっと朔也が笑う。 「あー…俺、情けない。 あの電話切ってから美月の事ばっか考えておかしくなりそうだった。 こんなんじゃ全然ダメだわ俺」 「朔也…」 「美月ごめんな…。 …唐揚げ作っておいてくれた?」 「うんっ!」 ニコっと笑って朔也はようやく靴を脱いで部屋へと上がった。
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