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新幹線を降りたあと、
都内の携帯ショップで24時間無料通話が出来るようにって、お揃いの携帯を向井くんが買ってくれた。
「いつでもかけて来ていいからね。
俺もかけるから」
「うん」
今日中に長崎に帰らなきゃならない向井くんと空港へと向かう。
「また会いに来るから…」
「うん…あの…」
「うん?」
「…私も会いに行くから」
「うん…」
最終便の出発ロビーは、カップルがやけに多くて…
少し気遅れしてた私の腕をすっと引いた向井くんが抱きしめてくれる。
「今度は1日だけの恋じゃないからね」
クスっと笑った向井くんの唇が落ちて来て、私は静かに目を閉じた。
夜空に飛び立つ光の羽。
大きく旋回したその光が月明かりの空に溶け込んで行くまでじっと見つめていた。
…ねぇ朔也…
私はもう一度、夢を追いかけて頑張ってみるよ。
7年後のあなたとの約束の日に…
あなたへの永遠の思いと共に…
心から愛しいと思えるあの人の胸に飛び込めるように…
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