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「おい、オナキン」
今川とその取巻きは
いつもそんな風に
直機を呼んだ。
「駅前の『タツヤ』でさ、
エロビデオ借りてこいよ。
今日、みんなで見るからさ。
もちろん、お前も来いよな」
最近の今川の嫌がらせは
徐々に性的なものに
なりつつあった。
段々とエスカレート
してきているので
断りどころが難しい。
(そ、それくらいなら
まだ耐えられる。
もう少しヤバくなったら
徹底的に逆らおう)
ズルズルと
その繰り返しだ。
「お、俺はいいよ」
「安心しろよ。
ちゃんと、
女子も呼んでるからさ」
今川が
ニヤリと悪魔の
笑みを浮かべる。
今のこいつには
女子もなかなか逆らえない。
(妙なことに
ならなきゃいいけど)
何だか凄くイヤな予感がした。
そして実際に、
今は思い出す気にも
なれないような
事件が起きてしまったのだった。
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