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直機には、
これといった夢は
なかったが、
今の自分のままで良い
とも思えなかった。
かといって、
具体的に
どう「今」を
打ち破れるのか、わからない。
だから直機はとりあえず、
ブログで彼女たちの戦いを
ただ追いかけた。
直機のブログは思いがけず
一部の層に人気が出た。
毎日100人くらいが見るブログ。
はっきり言って、大したことない。
でも、もしこれが
「学校の中で」だとしたら
100人が直機の話を聞くなんて、
そんなことは、あり得ない。
直機は
哲学者の祖父と、
戦略コンサルの父により
小さい頃から独特の
大人びたものの見方を
鍛えられていた。
それが良かったのかも
しれなかった。
当時の直機にとって
ブログの存在は、
自分が存在することの証明で、
自分なんかがこの世界に
生き続けてもいいという
数少ない免罪符であった。
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