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一転、
追われる立場となった少女は、
振り返ってその追っ手を一瞥。
先ほど発砲したものと別の
機銃を左手だけで構え、
瞬く間に引き金を引いた。
バババババ
幅10ミリの光の筋が、
追っ手に吸い込まれるように
伸びていく。
だが、
追っ手はいとも簡単に
ひらり
とそれをかわして見せた。
(まだ距離がありすぎる)
彼女もそれを
わかっているだろう。
ただ、
牽制にはそれで十分だった。
追っ手の
射線がずれたその隙に、
少女はさらにスピードを
上げていく。
もと追っていた
「獲物」の姿は、
ようやく
映像でも確認できた。
しかし、
「獲物」はちょうど
半周の宙返りをして、
反転!
イチかバチか、
少女の方に突っ込んできた。
後方からは先ほどの追手。
(――挟まれたか!)
冷たい汗が頬を伝う。
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