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さすがにピンチかと思われた
その時、
少女は左右それぞれの腕に
構えた機銃を
僅かな時間差で
(というよりもほぼ同時に)
発砲した。
ババババ
一方は前方の獲物に向けて、
ババババ
もう一方は
後方の追っ手に向けて。
ドーン
ドーン
赤黒い炎の花が
2輪咲き、
前後からの激しい熱風で、
少女の前髪が乱された。
燃え盛る炎に包まれた
鉄の塊が、
ひとつ、
それからもうひとつ、と
盛んに煙を吐き出しながら
海面に落ちて
大きな水しぶきをあげる。
少女は小さく、
ガッツポーズをとった。
彼女は早々にその領域から
離脱しつつあったが、
時折、振り返っては
経過を確めていた。
少し遅れて、
黄色いパラシュートが、
2つ開いた。
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