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例えば、日曜日の朝、布団からなかなか起きてこない涼子に気がついて、優正が、
「どうした?」
と尋ねれば、
「ええ、なんだか頭が痛くて‥‥熱もあるみたい」
「じゃぁ、寝てたらいいだろ」
「でも……」
と妻は言いよどむ。
子育ての疲れか。風邪でもひいたのか。
どちらにせよ、結婚する前から、涼子はあまり身体が強くなかった。
だが、一家の主婦は、そうおちおちとは眠っていられない。
「いいよ。俺が遊園地に連れてくから」
空模様を眺めながら優正が言う。
それが始まりだっただろう。
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