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「おじさーん、ホーリーにはいつ着くんだい?」
森のなかを進む荷物を積んだ小さな馬車
その荷物の上で、1人の少女と2人の青年が寝転がって空を見ていた
「もう少しでホーリーに着くよお嬢ちゃん」
「そうか、もう少しか…」
少女は欠伸をしながら起き上がった
長くて美しい黒髪、整った顔、へその見える短いシャツにブラウンの上着とスボン姿
ラフな服装ではあるが、すれ違えば男が振り返るような少女だ
「まだ着かないんでしょ?まだ寝てれば?」
少女の左に寝転がっている青年が眠そうに言う
「まぁ起きてみろエンヴィー、森の緑が綺麗だろう?」
エンヴィーと呼ばれた青年は中性的な顔で、細身の身体と女物のような服装で少女のように見えるが、れっきとした男である
「まぁ緑見て、腹が満たされるわけじゃねぇがな」
少女の右で寝転がっている青年も欠伸をしながらそう言った
「残りの非常食を全部食べたのはお前だろグリード」
「ぐぐっ……」
グリードと呼ばれた青年はそっぽを向き少女と目を合わせない
エンヴィーの兄貴分で、少し体格のある身体と男らしい服装を好む彼は、誤魔化すように口笛を吹いている
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