1章【全ての始まり】

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みるみる内に男性の切断された腕はくっついていく。 「驚いた……ジエルにはこんなことができる術士がいたのか」 立ち上がった男性の緑髪が風を受け、サラリと揺れる。 整った顔立ちに、緑色の綺麗な瞳。 ――吸い込まれそうだ。 「……あの。この事は黙っていてもらえないでしょうか?」 「それは構わない。だが、私が無事だと分かればいずれはバレるよ。その前に……私の軍に来ないか? 悪いようにはしない」 思わぬ提案に私はビクッと肩があがるのを感じた。 「ご、ごめんなさい……」 私にはジエルに家族もいる。 お父さんとお母さん、それに妹が一人。 それにカイン様を裏切るなんて……。
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