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みるみる内に男性の切断された腕はくっついていく。
「驚いた……ジエルにはこんなことができる術士がいたのか」
立ち上がった男性の緑髪が風を受け、サラリと揺れる。
整った顔立ちに、緑色の綺麗な瞳。
――吸い込まれそうだ。
「……あの。この事は黙っていてもらえないでしょうか?」
「それは構わない。だが、私が無事だと分かればいずれはバレるよ。その前に……私の軍に来ないか? 悪いようにはしない」
思わぬ提案に私はビクッと肩があがるのを感じた。
「ご、ごめんなさい……」
私にはジエルに家族もいる。
お父さんとお母さん、それに妹が一人。
それにカイン様を裏切るなんて……。
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