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「ネリシャ、戦いが終わるまで俺の隊に混じってろ。君の再生の術があれば我が隊も大胆に戦える」
リジン様は私の事を知ってくれているみたい。
いや、当然と言えば当然か。
前回のメイデンレインとの戦いで肉体を切断してしまった兵士達の手当てをしたのは私だから。
「勝利はいただいたな。俺らは今から残党兵を始末しに行くつもりだ」
「や、やっぱり……殺すんですか……?」
「ああ。降伏を拒んだ者はな」
リジン様はフッと冷たい笑みを浮かべた。
「……」
降伏しても待つ運命はおそらくジエル側の奴隷。
「ネリシャ、次は大陸一の勢力を持つアルトスに攻めこむ予定らしい。ここだけの話、ラディアンで手に入った奴隷は全員エルギー化されるらしいぞ。まあ、残党処分も兼ねて良い案かもな」
――!!
……私に生きている人から生命力を奪えと?
しかも全て。
それを良い案だって?
この人……エバト様以上に最低かもしれない。
――悪魔だ。
私はマナに目を向ける。
彼女は困惑した顔で何も言わずに私から目を背けた。
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