2章【絶望】

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私は気を失っていてあの後、どうなったのかという詳細は一切分からない。 目覚めたベッドの上で周囲をキョロキョロ見回す。 すごく大きな部屋。 ここは一体? 「目覚めたかい、ネリシャ」 装飾された豪華な椅子からスッと立ち上がったのはカイン様だった。 「カイン様……。ここは?」 「僕の自室さ。ネリシャがなかなか目覚めないから心配したよ」 「……」 なんだかいつものカイン様じゃない気がする。 「先程、会議をしてきたんだんだけどね」 カイン様は鋭い目付きで私を見下す。 「……あの、会議とは?」 「うん、今回の戦闘の反省。……大敗だよ。なんとか逃げたけど、この城まで敵が攻めてくるのも時間の問題かもね」 ……。 本当に攻めてくるの? だってこの城下町を戦場にすれば、必ず一般市民にも多大な被害が出る。 あの人ならそんなことはしない気がする。 それにラディアン側は私達の侵略を防いだけど、制圧までは考えないと思う。 ――だってあんな強力な術があれば、再び攻めこまれても同じようにして私達を退けられるだろうから。 だからこっちも下手に動けない。
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