2章【絶望】

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「あの……。カイン様、あの方なら城下町を戦場にする事はしないと思うんですが」 そう私が発したと同時に、カイン様の眉がヒクッとつり上がった。 「あの方……。アスラのことか?」 「あっ……」 「よく知ってるね、ネリシャ」 カイン様が私の顎を人差し指と親指を使い、クイッと持ち上げる。 「……あの、カイン様?」 「あいつの腕、切断したはずなのにくっついてたって聞いたよ。ネリシャまさかとは思うけど。……違うよね?」 ……! 「えっ……」 「分かりにくかった? つまり、君の術じゃないのかって聞いてるんだけど」 カイン様の目はすごく怖かった。
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