第1話 大悪党降臨!!正義の味方は大反転

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   ならば。  ならば伽藍伽草をどうしたか。  どうすることを選んで、どうしようかと動いて、結局どうしたか。  きっと思うことだろう。  『想いを取り払った』と。  だけど違うのだ。  残念ながら、少女、伽藍伽草は想いを取り払える程に、強靭でもなければ、終わってもいない。  彼女がしたこと――それは只一つの事。  だがしかし、今、未だ悪党ではなく、悪等でもない、ましてや未だ誰の敵でもなければまた誰の味方でもなく、巨悪でもなければ邪悪でもない彼女の――……  否定も肯定も、是認も否認もしなかった彼女、いつまでも、そしていつでも中立的で中庸で――無責任でいた彼女の選択を公開することはできない。  なにせそれは――彼女のこれからに関わる異であり、事であり、そして何より、彼女が受け持つ思いの中で、最も重い思いなのだから。  今もし彼女のそんな思いを公開しようものならば、彼女はそんな思いを嫌でも認識しなければならなくなる。  今もし彼女のその選択を公開しようものならば、彼女はその選択を嫌でも想わなければならなくなる。  最も重い思いが、重い想いになってしまう。  想いの重みで、潰れてしまう。  
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